Shinji Ukita

NORML理事長 レスター・グリンスプーン博士逝去

ハーバード大学医学大学院教授であり、また永年に渡りアメリカ合衆国の大麻啓発団体NORMLの理事長を務めていましたレスター・グリンスプーン博士が先週2020年6月25日に逝去されました。 アメリカで大麻に関する法律の改正に尽力された人物で、92歳で亡くなる直前まで精力的に活動されてきました。 その功績は非常に大きく、彼の後釜として十分な人間は存在しないとまで言われており、グリンスプーン博士が執筆したMarijuana Reconsideredはアメリカの多くの州で大麻の規制を緩和させ、また合法大麻市場を作り上げるきっかけになったとまで言われています。 NORMLの創設者であるキース・ストループは、グリンスプーン博士の長年に渡る一貫した合法化運動についてLAウィークリーに以下の様に話しています。 「大麻の合法化活動を行っていく中で、医療や公衆衛生の専門家は他にもいましたが、彼らの大麻に関する考えが、科学的根拠に基づいていると最初に主張し始めたのがグリンスプーン博士でした。現在アメリカ合衆国では次々と違う州で大麻の規制緩和が行われていますが、それを実現させる為の議論を始めたのが彼だと言われています」 また現在NORMLのエグゼクティブディレクターを務めるエリック・アルティエリもLAウィークリーの質問に答えており、「グリンスプーン博士の功績は誇張する事すら難しいでしょう。まだ運動が始まったばかりの頃、合法化活動に尊厳や合理性というものを与えてくれたのは彼でした。彼は人生の大半を大麻や大麻を使用する人の汚名を払拭する為に捧げてきました。彼の存在はグリンスプーン博士を知る多くの人から惜しまれるでしょう。」と話しています。 グリンスプーン博士の声は大麻合法化を望む人たちの声を代弁する存在になっていきましたが、彼の声は医療で大麻を使用する人たちを代弁するものでもありました。 彼の息子であるダニーは当時末期の白血病を患っていたのです。 化学療法を受け身体が衰弱していく中、グリンスプーン博士は息子が大麻を使いその恩恵を受けている様子を日常的に目撃していたのです。 後日ダニーは亡くなってしまいましたが、グリンスプーン博士のその経験は後に何百万人と言う人々の生活の質の向上に繋がっていきました。 しかし2000年以降、世界中で大麻に関する見直しが頻繁に行われていますが、いまだに大麻は多くに人々にとって”違法薬物”である事も否定できません。 グリンスプーン博士の死後、息子ピーターは、彼が40年間勤めていたボストンのマサチューセッツ精神保健センターで彼が指導した卒業生や、博士の影響で人生が好転したという何千もの人々から感謝のメッセージを受け取ったそうです。 近年では急激に世界で大麻に関する議論が盛り上がってきていますが、晩年のグリンスプーン博士はそれをどう見ていたのでしょうか? カリフォルニアで医療大麻に関する法案が通過した頃に博士はすでには70歳近くでしたし、アメリカでCBDが盛り上がりだした頃には85歳を超えていました。 それらの疑問に対し息子ピーターは以下の様に答えています。 「もちろん父にとってとても喜ばしい事でした。でもそんな大麻によって逮捕される人々がいなくなれば、今よりもっと良くなるでしょうね。昔と比べるとだいぶ良くなったんですよ。父がMarijuana Reconsideredを出版した時、サポーターは十代の若者たちぐらいしか居なかったんですから」 昨年のPew Dataの統計によると、現在アメリカでは約9割の人が医療若しくは嗜好目的での大麻の使用が合法化されるべきだと考えている様です。 それは間違いなくグリンスプーン博士の功績の1つだと言えるでしょう。 参考記事 : LAウィークリー

ベンゾジアゼピン離脱症と大麻

皆さんはエリミンと呼ばれる睡眠薬をご存知でしょうか? 通称「赤玉」と呼ばれるこの薬は、2015年の出荷を最後に現在は製造が中止されています。 しかし日本にはこの薬や同じ系統の薬の依存症に苦しむ人が今でもいる事はあまり多く知られていないかもしれません。 エリミンは正式にはニメタゼパム呼ばれるベンゾジアピン系の睡眠薬の1種で、お酒の様な効き方から始まるのが特徴です。 また筋弛緩作用があり非常にリラックスしたような感覚を与えてくれることから、乱用する人が後を絶ちませんでした。 今回は大阪に住んでいるJさんにエリミン依存に関する経験をお話ししていただくべくインタビューをさせていただきました。 Jさんには日本からTwitterでDMをいただいて、ワーキングホリデーでカナダに来たいというところから今の関係がスタートしました。 インタビュー エリミンを使いだした理由 Shinji : どうも、お久しぶりです。お元気ですか? Jさん : どうもです。コロナで仕事はボチボチですが元気にやっていますよ。 Shinji : 今日はエリミンを使っていた時の事と、止める時の体験を聞かせてもらえたらと思います。なかなか答えにくい内容もあるかも知れないので、その時は教えてください。 Jさん : 分かりました。 Shinji : じゃあ、さっそく始めさせていただきます!まずエリミンを使い始めたきっかけを教えてください。 Jさん : 元々はエリミンじゃなくて、MDMAやアシッド,覚せい剤など違うものを使っていました。何かをキメてクラブに行って遊ぶという事にハマっていました。 Shinji : じゃあ何でエリミンになったんですか? Jさん : クラブで会ってできた友達がきっかけと言えるかもしれません。違法なドラッグと比べると手に入れるのが簡単というのが1番の理由です。 エリミンとその他のドラッグ Shinji : なるほど。逮捕のリスクもありませんしね。でも実は僕もエリミンは何度か使った事があるのですが、MDMAなどに比べると特に楽しいという印象は無いんですよね。だから僕は特にハマる事もなかったんですよ。Jさんはエリミンのどんなところにハマったんですか? Jさん : 僕も結果的にはエリミン依存になりましたが、元々は僕もエリミンが特別に好きと言うわけではなかったんです。さっき伝えた通り最初は手に入れやすさが一番の要因でした。MDMA、アシッド、覚せい剤、コカインなど全部が好きで1年近くやり続けた中でエリミンもその内の1つでした。でも色んなドラッグをやり続けていたらだんだん体がおかしくなっていったんです。それでもクラブに行けばそこでドラッグをたくさん使うので、家に帰ってきてからもなかなか寝る事が出来なくなりました。エリミンはそういう時にも役に立っていましたね。 Shinji : なるほど。エリミンを”落とし”に使っていたわけですね。 Jさん : はい、そうです。あと段々とメンタルにも支障が出てきて、対人恐怖症のような状態にもなりました。日中、外に出かけて人と話したりすると汗が噴き出したり、その場から逃げ出したくなるような感覚に襲われる事もありました。 Shinji : それは怖いですね。 Jさん : エリミンをのむとそういった症状からも解放されたんです。外にも出かけられるし、人と話すこともそんなに抵抗がなくなったんです。 Shinji : 覚せい剤みたいですね。 …

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大麻の仕事 ディスペンサリー編

2018年の合法化以降カナダの大麻ビジネスはドンドンとその勢いを増して来ています。 初年度は各州に数件しかなかったディスペンサリーも現在は州によっては300店舗を超えるまでになりました。 業界で働きたいと考える人も多く、それは日本人も例外ではありません。 将来は大麻業界で生計を立てたいと考える日本人が次々と合法国へ渡り、ここカナダへワーキングホリデーや留学でやってくる人も多くいます。 今回はそんな人たちの中で人気の職種の1つであるバドテンダーについて解説していこうと思います。 少しでもバドテンダーへの道に進もうと考えている人の助けになれば幸いです。 バドテンダーとは? バーなどのカウンターでお客さんにカクテルなどを作り提供するバーテンダーという職業は多くの人がご存知かと思います。 英語のスペルはbartenderでこれはbar+tender という2つの言葉が合わさって出来た単語です。 barはもちろん日本語の「バー」「飲み屋」という意味です。 tender の意味はあまり知られていないかも知れませんが、これは「世話をする人」という意味です。 ではバドテンダーはどうでしょう? バドテンダーは英語でbudtenderで同じ様に考えるとbud+tenderの造語だという事が想像できると思います。 では「バド」とはどう意味でしょう? これは日本語で呼ばれるバッズの事で花穂の事です。 英語にすると「buds」、複数形になっているのでsをとって「bud」となります。 つまりバッズのテンダー、ディスペンサリーの販売員の事です。 ちなみにバドワイザーというビール会社がありますが、こちらは大麻のバッズとは一切関係なく、チェコのバドワイズという地域が名前の由来となっている様です。 合法化前と現在の違い カナダ、特にバンクーバーでは2019年の合法化前より既に沢山のディスペンサリーが存在し多くの人が働いていました。 僕を含め日本人でもそこで働いている人はいましたが、当時はまだ違法でありそこで働くには警察の取り締まりというリスクがありました。 そかし合法化された現在ではだれでも気軽に応募できる職種の1つとなり若い人を中心に人気の職業となっています。 制度も少しづつ整い品質管理の基準も設けられ、ディスペンサリーで働く為の条件も全国的に平均化してきました。 そこで次からの章ではディスペンサリーで働く為に必要なスキル、労働条件などについて解説していきます。 英語力 カナダで働くにあたって一定の英語力必要になる事は言うまでもありません。 しかし職種により必要となる英語力も様々です。 日本での例を想像してみると分かりやすいかも知れません。 例えば最近の日本のコンビニでは外国人の方が働いているのを見る機会が多くなり、中には日本語がまだ不自由な方も多く見られるようです。 しかしコンビニでの作業内容は単純なモノが多いため、それほど高い日本語力は必要ではありません。 それに比べアパレルショップなどで働く外国人を見かける機会は少ないですよね? それはコンビニでの仕事よりアパレル販売の方が日本語力が必要である事が関係しています。 それはカナダでも同じ事です。 カナダのディスペンサリーでの仕事は、日本のコンビニでの仕事に比べてお客さんと会話をする機会が多いでしょう。 お客さんの中には合法化を機に大麻の使用を始めた人も多く、そういった人達はあまり大麻に関する知識がありません. その様な場合にはバドテンダーの接客サービスが販売のキーとなるので、最低限の日常会話、品種を選ぶ際のアドバイス、そして伝票などを読むなどが出来る英語力は必要になってきます。 学歴と資格 カナダで仕事を探す際は日本と同じようにインターネットを利用する事が一般的です。 日本でも運営されている求人情報専門サイト「indeed」はカナダでも多くの人に利用されており、検索キーワード欄に「budtender」や「cannabis dispensary」と入力すると、ディスペンサリー関係の求人案内が多く掲載されている事が分かります。 多くの求人広告には「Requirement」という項目があり、そこに応募条件が記されています。 多くのバドテンダーの求人ではGrade12以上 (日本の高校卒業) が求められるようですが、そうではない求人も数多く見られます。 マネージャー(店長)のポジションに応募する場合には大卒以上の学歴が求められることが稀にある様ですが、多くの場合はそ学歴よりマネージメントの経験が求められています。 その経験は大麻業界での経験である必要はない様ですので、日本の小売店で店長などのポジションに就いたことがあればそれは経験として考慮されます。 ディスペンサリーで働くにあたり資格は必要ありませんが、多くの州ではディスペンサリーで働く全ての人に研修を義務づけています。 首都トロントがあるオンタリオ州では「CannSell」というプログラムがあり、このプログラムを受けなければディスペンサリーでの就業を開始する事は出来ません。 こちらは$64.99で誰でも受講する事ができ、最後のテストに合格すればディスペンサリーで働く事が出来るようになります。 前章の英語力の話しにも繋がる事ですが、ディスペンサリーで働く為にはこのプログラムを受けテストに合格するだけの英語力は必要になるという事です。 バドテンダーの給料? ワーキングホリデーなどでカナダに来てディスペンサリーで働こうと考えている人の多くが1番気になるのはやはり給料ではないでしょうか> カナダでは多くの仕事の給料は需給で計算され支払われます。 …

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テルペンって何?

リンゴには「紅玉」「王林」「つがる」などの色々な種類が存在する事は多くの方がご存知だと思います。 僕が住んでいるここカナダでも日本のリンゴ「フジ」は良く知られておりスーパー等でもよく見かけます。 種類により食感、酸味、甘味など違いがあり人によって好みが分かれますよね。 それは大麻でも同じです。 大麻にも「ホワイトウィドー」「レモンスカンク」「ノーザンライト」など多くの品種が存在していて効果、味、香りなど品種によって違いがあります。 カナダやアメリカなどの合法国での大麻ユーザーは「ディスペンサリー」という大麻を販売しているお店で自分好みの品種を選択し購入しています。 店頭では販売されている品種の特徴などが書かれており、それぞれ品種ごとに匂いを嗅ぐ事が出来るようになってる事も多く色々な大麻の香りを楽しむ事が出来るようになっています。 今回はその異なる匂いを作り出している物質「テルペン」について解説していきます。 基本情報 テルペンとは動植物の組織中に見られ、特に松などの針葉樹、常緑樹の体内で多く作り出される精油成分の主成分の事で主な要素は 炭素(C)、酸素(O)、水素(H)の3つで す。 これらの組み合わせ、割合によってテルペンの特徴、働きが変わってきます。 100種類以上のテルペンが存在すると言われており、それらがフルーツや野菜、花、ハーブの良い香りを作り出しています。 大麻草にも沢山の種類のテルペンが含まれているのですがその内の幾つかは大麻特有のものだと言われています。 よく大麻はムスクの様な香りと表現されますが、実は1つ1つの品種が少しづつ違う香りを発しており、主成分となっているテルペンがディーセル系、チーズ系、ベリー系、シトラス系などの独特な匂いを作り出しています。 テルペンの配合は栽培される環境に左右されるので同じ品種だとしてもプラントごと、収穫ごとに匂いも変わってきます。 大麻とテルペン 様々な植物、ハーブからとれるテルペンは薬理活性、殺虫活性など利用価値の高い物質が多く含まれており僕たちの生活の中で様々な形で活用されています。 塗料やインク、包装材料、粘着テープ、溶剤など様々な身の回りの生活用品に、また様々な植物から抽出された精油を含んだボディークリーム、ミントティーなどは目にする事も多いかと思います。 リラックス効果があるといわれているラベンダー、気分を高揚させてくれる柑橘系の精油はアロマテラピーでもよく使われています。 その様なテルペンの働きは大麻を使用する上においても同じだとするのが現在の一般的な考え方です。 例えばラベンダーのリラックス効果はリナロールというテルペンの働きだと考えられていますが、リナロールを多く含んだ大麻はリラクゼーション効果が高いと言われています。 大麻は大きく分けてインディカ種、サティバ種、ハイブリッドの3つに分けられるのですが、その中でも特にリラックス効果の高いと言われているインディカ種には実際にリナロールを多く含んだ品種が多く存在しています。 また最近は世界中で人気のあるCBDオイルもCBDを単体で使うより他のテルペン、カンナビノイド、フラボノイドなどを含んだ多成分の状態の方が相乗効果により高い効果が得られると言われています。 それは「アントラージュ効果」と呼ばれ去年よりTwitterや日本の大麻ブログでもよく話題になっています。 今では一般的な考え方となっておりカンナビノイドとテルペンの相乗効果に関する研究も多くの人が取り組んでいますが、現段階では単なるセオリーに過ぎず、まだテルペンとカンナビノイドの相乗効果は科学的には立証はされていません。 大麻に含まれる主なテルペン カナダのディスペンサリーで売られている大麻は販売される前にカンナビノイド、テルペン、カビやバクテリア付着などの厳しい検査を通過し店頭に並ぶ事になります。 店頭で売られている商品にはその検査の結果からカンナビノイドのパーセンテージや含まれているテルペンの種類が表記されていることが多いです。 もしどんなテルペンがどんな味を作り出すのかを知っていれば高確率で自分好みの大麻を購入する事が出来ます。 以下の表は大麻に含まれているテルペンの代表的な物です。 今回は大麻系ブログらしく風味ごとにまとめてみました。 どんな植物、果物から検出されるかを知ればどんな風味なのか想像もしやすいかと思います。 カナダやアメリカの合法州に訪れて大麻を試す機会がある方はテルペンで買う品種を判断しても面白いと思います。 Earthy系 テルペン 香り 例 ミルセン ムスク、壌土、熟した果実 マンゴー、レモングラス、ホップ、タイム フムレン 森林、壌土 ホップ、コリアンダー テルピノレン 松、煙 りんご、クミン、ティーツリーオイル、針葉樹 ボルネオール メントール、ミント、壌土 ワームウッド、シナモン ネロリドール 森林、花、りんご ショウガ、オレンジの皮 セドレン …

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大麻の未来を想う

カナダで嗜好目的での大麻の使用及び販売が合法化され1年以上が経過し当時とは様々な事が変わった。 ユーザー目線で見れば合法化当初によく聞かれた商品の供給不足の問題も原因が明らかになり対応が進んだお陰で解消したようだ。 マーケットに参入する企業も日に日に増えてきており商品選択の幅も少しづつ広がっている。 また昨年の2019年末からは「合法化 2.0」の名の下にエディブル、べイプカートリッジなどの販売も始まった。 頻繁に変わり続けるカナダのカンナビス法はさらに多くの人、企業の大麻ビジネスへの参入を容易にしている。 ではカナダの大麻合法化は正しい方向へと進んでいて数年後には理想的なマーケットが出来上がっているのだろうか? 実際にマーケットに関わる中で実は僕の中で少しづつ懸念の様なものが生まれ出している。 合法化前に多くの人が思い描いていたマーケットとは大きく違う方向に向かっている可能性を感じるのだ。 今回は現在の問題点を明らかにし将来の大麻ビジネスがどう展開していくのかを考えてみたいと思う。 余剰在庫 まずは上のグラフに注目して欲しい。 このグラフは僕もTwitter上で何度か紹介した事があるのだが、合法化から昨年2019年の夏までのカナダ国内の合法大麻の在庫と販売状況を示したグラフだ。 濃い緑と薄い緑の棒グラフだがこれは在庫業況を表している。 濃い緑が既に州政府の検査チェックが終わりいつでも出荷できるようになっている大麻製品で、薄い緑はまだ検査待ちで出荷する事が出来ない在庫である。 そして図の下部にある黒い折れ線グラフは売り上げを示している。 まず最初に気が付くのは売り上げの伸び率に対し生産量が急激に増えている事。 しかしこれはこのグラフの示す期間の数か月後のエディブル、オイルの合法化の為にLPが生産量を増やしたという事が予想できる。 ここで何より問題なのは検査の終わっていない大麻製品の在庫状況だ。 生産量を増やしたはいいが州政府の検査の効率は上がっておらず結果として生産者が更に多くの在庫を抱える状況になってしまっているのだ。 特に状況が酷かったオンタリオ州では大量の在庫を抱えた企業とその投資家たちが州政府に意見し、それが次のパラグラフで紹介するマーケットの変化へと繋がっていく事になる。 販売ライセンスの未来 (ディスペンサリー) それでは一体どの位の販売業者がいるのだろう? ライセンスに関する規則は連邦政府によって管理されているのだが、店舗のローケーション、数などに関する判断は州政府及び各自治体に委ねられている。 ではまず首都トロントがあるオンタリオ州を例に挙げてみてみよう。 オンタリオ州では現在ディスペンサリーの営業に必要な販売ライセンスは24件発行されている。 その24件のライセンスは2018年の合法化以降に2度行われた抽選システムによって選ばれている。 しかしその24件全てが既に営業している訳でもなく、2019年末の時点でまだ営業を開始できていない店舗も少なくはない為、カナダ最大の州であるオンタリオのユーザーのニーズは満たされていない。 そこへ更に先に述べた州の検品遅れにより出荷が出来ないという状況が加わり、遂にオンタリオ州では今年2020年の1月に販売ライセンスの数の上限が撤廃され、条件を満たし自治体の許可が得られれば誰でもライセンスが取得できるというシステムに変わったのだ。 先日のニュースによるとその影響で今年に入ってから多くの申請があり既に700件が審査待ちという状態になっており、それらも条件さえ満たしていれば全て許可が下りる事になっている様だ。 またオンタリオ州の議員Doug Fordによると最終的にオンタリオ州のディスペンサリーの合計数は、カナダの他州のディスペンサリーを合計した数より多くなるとの事だ。 現在すでにアルバータ州では400件以上のディスペンサリーがある事などを考慮すると将来カナダにはかなり多くの販売店が存在する事になるだろう。 https://www.bnnbloomberg.ca/they-didn-t-have-supply-ready-doug-ford-fires-back-at-pot-execs-1.1382204 引用 : BNN Bloomberg 生産者ライセンスの未来 (グロワー、農家) 嗜好目的の大麻を生産するには政府が発行するCultivation License(生産者ライセンス)を取得する必要がある。 2020年現在では以下の2種類の生産者ライセンスが存在している。 スタンダードライセンス (Standard Cultivation License) マイクロライセンス (Micro Cultivation License) どちらも許可を得る為の条件はほとんど変わらないのだが大きな違いは作付面積である。 マイクロライセンスでは最大で200㎡までの作付けしか認められておらず、それ以上のファームを運営するにはスタンダードライセンスを申請しなければいけないのだ。 合法化当初 …

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イギリスでもエピディオレックスの処方スタート

日本でも医療大麻の話しで話題に上がる事が多いエピディオレックス。 難治性てんかんのレノックス・ガストー症候群、ドラべ症候群の治療に使うことが認められている大麻成分CBDを含む医薬品だ。 NHS Englandによると来年2020年1月6日よりイギリスで処方が可能になる。(NHS Englandとはイギリスの国営医療サービス事業で、社会保障の手厚いイギリスの国家予算の何と訳25%が投入されている) イギリスでは訳3000人のドラべ症候群患者と5000人のレノックス・ガストー症候群の患者がいると見られており、NHS Englandのチーフエグゼクティブ、サイモン・スティーブ氏はこの薬が持っている患者の人生を変えるようなポテンシャルに期待すると述べている。 https://www.bbc.com/news/health-50874089?fbclid=IwAR1sadW8RT_i8aVYrSmfFB2lUFmMHa7fH6l61W42wlnh35kG2VFCJnba7c0

カナダの国内線への大麻の持ち込み

2018年に嗜好目的での大麻の使用が合法化されて以来カナダへ大麻を使う為にやって来る観光者は増加している。 日本人も例外ではなく僕もたまにそれに関する質問のメールをいただく。 世界で2番目の国土面積を持つカナダ。 忙しい日本から来た旅行者の中には1つの都市だけではなく、飛行機を使って複数の都市を訪れようと考える人も多いようだ。 そこで今日はよくいただく質問の1つである「カナダ国内線への大麻の持ち込み」について話してみたいと思う。 合法?違法? 法律上の事を説明しよう。 カナダで国内線を利用の際は1人あたり… 乾燥大麻 → 最高30グラム 大麻オイル → 液体許容量が適応されるので最高100ml(3.4oz) までは機上に持ち込むことができる。 乾燥大麻は預け荷物、持ち込み荷物のどちらでも構わないが、大麻オイルは液体としての扱いになるので預け荷物に入れる事は出来ない。 またチェックインカウンターで荷物を預ける際、法律での許容された量(30グラム)を超えた量が見つかった場合に航空会社は警察に連絡をする義務があるので、間違えてトラブルにならない様に注意していただきたい。 https://www.catsa-acsta.gc.ca/en/item/cannabis-marijuana いつもカナダに着くとは限らない 先日、笑えるようで笑えないニュースがあったのでここで紹介したい。 それはトロント発バンクーバー着のフライトで起こった。 カナダの2大都市を結ぶこのフライトの1つが悪天候に見舞われて緊急着陸を余儀なくされたのだ。 すでにブリティッシュコロンビア州付近までは来ていたのだが目的地のバンクーバーは深い霧で包まれていた。 2度着陸を試みたがうまく行かず最終的にクルーが下した決断は近隣都市シアトルでの1時着陸であった。 そこで燃料を再度補給し、天候が回復したところで再びバンクーバーを目指そうというものであった。 機上には225名の乗客がいたのだが、シアトル着陸の機内アナウンスが流れると1部の乗客がパニックに陥った。 荷物の中にカナダでは合法である大麻が入っていたのである。 アメリカではシアトルが在るワシントン州など大麻が合法化されている州とそうではない州があるのだが、どこの都市から入国するにしても大麻を持っての入国は法律で禁止されおり見つかれば罰せられる。 このケースの場合はアメリカ側で特別な配慮がされ、通常の税関チェックが省かれた対応がされた。 しかし アメリカの弁護士Les Saunders氏は「毎回このような対応がされるいう保証はなく注意が必要である」と語っている。 日本から北米へお越しの皆さんも大麻を持っての国内線での移動には十分注意をしてもらいたいと思う。

大麻のお仕事

大麻に関わる仕事と言ってもその種類は多く人によって思い浮かぶものも違うだろう。 嗜好大麻が合法化されているカナダではその市場規模が大きく、例えば大麻農家と言っても作業を統括するマスターグロワーがいれば作業の中でもトリミングを行うトリマー、プラントの手入れをするカルティベイター、ファームの管路をするセキュリティーなど職種は細分化され挙げればキリがない。 大麻製品を作る仕事でもオイルやアイソレートを作るエクストラクターがいれば、そのエクストラクターが作ったオイルや大麻草そのもの使ったエディブルを作る仕事に関わる人達もいる。エクストラクターの中でももちろん作業は分けられている。 その他に製品のパッケージング、小売業、医療、物流、飲食業などこれからも更に様々な形で色々な仕事が大麻に関わる機会が出てくるだろう。 そこで多くの人が気になるのは一体どのくらいの給料がもらえるのか?という事ではないだろうか。 僕がいただく問い合わせの中でも特に多い質問の1つでもある。 そこで今回は代表的な職種とその内容、そして給料にフォーカスして紹介してみようと思う。 マスターグロワー (Master Grower) 大麻草を栽培するビジネスの中では花形的なポジションであるのが「マスターグロワー」。 会社によっては「ヘッドグロワー」や「ヘッドオブセキュリティー」と呼ばれることもある。 仕事の内容は大麻プランテーションの総合的な管理である。 潅水システムやライトなどの機器の管理はもちろん、グロウルーム内の温度や湿度の管理、栽培方法、グロウに関する全てを彼らが決めていきその下で働くスタッフ達の指揮をとるのがマスターグロワーである。 仕事の募集案内を見ていると多くの会社では生物学、園芸学、農学などを大学専攻し卒業している事と3年以上の大規模プランテーションでの就業経験が条件となっている。 給料は年俸で表示されることが多く年間$75.000~$130,000となっている。 トリマー (Trimmer) その名の通りトリム(大麻草から余分なリーフを切り落とし花穂の形を整える事)をする事がメインの職業である。 手作業でトリムする事もあるが、現在は多くの会社ではマシーントリムを行っている。 募集要項では高校卒業以上を求めていることが多い。 給与は時給$13~$16が相場となっている。 品質管理 (Quality Assurance) この職種の内容はかなり幅が広くなっている。 大麻そのものの品質管理を行うのだが、品質に関わってくる要素と言うのはあらゆる物があるからだ。 在庫の管理方法や衛生管理など短期スパンで変わり続けるカンナビス法に関する情報を常にアップデートし、それに対応していくのも大きな仕事の1つである。 多くの場合はQuality Assurance Personがリーダーとなりその下にQuality Assurance Technicianが働いている。 給与はQuality Assurance Personで時給$22~$26、Technicianだと時給$17~$20位が相場となっている。 どちらも大学卒業以上の学歴が求められることが多いようだ。 オイル抽出 (Extract Technician) この仕事は大麻草の加工である。 大麻草からカンナビノイドを抽出するのがメインの仕事で、その抽出された物はさらに加工されオイルやエディブルとして販売される。 多くの機械を必要とし、それらの機械は常に衛生的に保たれていなければならない。 給与は時給$18~$20辺りが現在の相場である。 カルチベーター (Cultivator) インドア、アウトドアの大麻栽培ででマスラーグロワーの指示に従い大麻草の管理、収穫を行う。 学歴はあまり求められないが、1日当たり10時間、12時間シフトが多いようだ。 多くは体を使った仕事内容になっている。 時給は$14~$18となっている。 パッケージ包装 (Packager) 大麻製品を販売する為にパッケージ包装するのが仕事である。 給与はあまりよくなく時給$13~$16位といったところである。 バッドテンダー …

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日本の大麻

マリファナの歴史豊かな国、日本。 日本語で大麻、クサ、ハッパなど様々な呼び方がある。 残念ながらその長い歴史は西洋文化の影響により幕を下ろしてしまった状態なので、現在の日本は当時とは大きく異なる。 しかしそれは旅行で行った時に覚悟しなければいけないのか?と言うとそういうワケでもない。 まず空港のセキュリティーチェックだ。 何か大麻の使用を連想させる様な物は面倒な検査につながる可能性がある。 またカバンの中から出し忘れた大麻の欠片でも出てこようものなら大問題へと繋がる可能性もある。 レゲエファッションが人気だったりもするが、実は多くの日本人は大麻の事についてあまり知らない。 また大麻の葉は日本の紅葉に似ているからか、様々な物に大麻リーフの飾り付けがしてあっても殆どの人は気に留める事すらない。 それじゃあ大麻は一体どこにあるのだろう? この日出ずる国でそれを手に入れる事は容易ではない。 もし逮捕された場合、外国人であれば釈放された後は追い出されるだけで済むかもしれないが、日本人の場合は将来の事も考えると良くない運命が待っている事が多い。 世界中の多くの場所と同様、欲しいものを手に入れる為に大事になってくるのがネットワーク作りだ。 まずは余計なジェスチャーでの会話を避ける為にも英語が通じる場所に行ってみよう。 バーやヘッドショップ付近で探してみるのも可能性はあるが、もっと良いのは外国人が多くいるバーや学校で話しの分かる在日外国人を見つける事だ。 その時はやって来る… でもほんの少しの量でかなりの金額になる事だけは覚悟しなければならない。 1グラムで¥5,000~¥8,000ぐらい、$50~$80以上とシラフに引き戻される様な値段だ。 質は悪くはない事が多いのだがその可能性もランダムだ。 ある時はかなり良いのを手に入れたかと思えば、また別のある時にはどこかの誰かにあげてしまっても全く問題ない様な物に巡り合う事もある。 人も多く慌ただしいこの国での一服はひと工夫がいるが心配はいらない。 忍者の様にバレない様に吸える人が少なく静かな場所も簡単に見つけることが出来る。 家での一服はもちろん最高な選択の1つだ。寿司、テレビゲーム、エロなどやれる事は沢山ある。 もし外で一服するならバイクの警察に気を付けよう。 バレない様に…でも思いっきり…!! アート、音楽、ファッションなど日本には良い物が沢山ある。 もし日本のアーティスト達が逮捕される恐れもなくそれぞれの大麻感を表現できたとしたらどうだっただろう? それが現実となり日本がその栄光を取り戻すのも時間の問題だろう。 そう、私達はいま世界をバッズで埋め尽くそうとするグローバルなヒッピームーブメントの中に居るのです。

前科取り消しの申請受付スタート

概要 2019年8月1日、モントリオールでカナダ法務大臣のDavid Lamettiはオンラインで恩赦の申請が出来る新たなシステムを発表した。 嗜好大麻合法化以前のカンナビス法の大麻の犯罪歴がある人が対象である。 Lamettiは「以前のカンナビス法による犯罪歴が今でも一部の未成年に不相応に影響を与えていたが、この新しいシステムによって救われるだろう。」と語った。 通常は恩赦の申請には$631と待期期間が必要なのだが、今回の対象者はこれら全てが免除される。 これはカナダ人、カナダ永住者だけに限らず、過去にカナダ国内で大麻の単純所持により逮捕され前科を残してしまった人が対象となる。 カナダ国内に訳25万人の対象者がおり、政府は多くの申請に追われることが予想されている。 大麻は世の中に見直された? カナダで大麻の単純所持とは30グラム以下の所持を意味する。 合法化以前は単純所持で逮捕されると、最高で6カ月の懲役と$1000の罰金が科せれた。 弁護士でありカンナビス提唱者でもあるJack Lloyd は今回の進展の中に政府からの謝罪が含まれていない事に不満を漏らした。 「政府が本当に未成年に手を差し伸べたいのであれば、政府は大麻の所持を違法としてきた過去はは歴史的な不当行為であったと認め必要がある。」と述べた。 これでアメリカへ行ける? カナダの犯罪経歴は国境や空港などでアメリカ政府の要請により開示される。 しかし今回の新しいシステムで恩赦の申請を行い前科が消滅されれば、アメリカ政府が照会を行っても昔のデータにアクセルする事は出来なくなる。 しかし過去にアメリカ政府の称号により大麻の単純所持の前科の情報が渡ってしまった人のデータは消える事はない。 Lamettiは「それらのデータの取り扱いは各国の判断に寄るものである。今回の恩赦により過去に単純所持で逮捕された全ての人がアメリカに行けるようになるという保証はない。」と述べた。 https://globalnews.ca/news/5712495/cannabis-pardons/?utm_expid=.kz0UD5JkQOCo6yMqxGqECg.0&utm_referrer=https%3A%2F%2Fglobalnews.ca%2Fnews%2F5712495%2Fcannabis-pardons%2F 参考ニュース : Global News

カンフラビン生成の謎を解明?

カナダ、オンタリオ州にあるゲルフ大学の研究者たちは大麻に含まれる成分カンフラビンA, Bが生成されるプロセスを解明したと発表した。 生化学とゲノム生物学の技術を用いたこの研究は2019年8月号のPhytochemistryで発表された。 カンフラビンA, Bはフラボノイドの一種でTHCやCBDより抗炎症作用が強く、アスピリンの30倍の鎮痛効果があると言われている。 またTHCのような精神作用はない。 カンフラビンA, Bの存在は1985年に確認されているのだが、当時はカンナビスに対する規制が強く研究が進められることはなかった。 しかしカナダでは2018年の嗜好大麻合法化によってそれらの研究をする環境が以前より整ったので今回の研究に至った。 北米では慢性痛にオピオイド系鎮痛剤が処方されることが多いのだが、副作用や中毒性が危険視されている。 またオピオイド系鎮痛剤は脳にある痛みを感じるレセプターに作用を及ぼすのだが、カンフラビンはそれとは違うメカニズムで作用する為、中毒性がない自然由来の鎮痛剤としてこれからの研究開発に期待が集まっている。 しかし問題もある。 今回の研究で生成のメカニズムは解明されたが、実際にそれを商品化する為にはカンフラビンを作り出すバイオシステムのさらなる開発が必要になってくる。 カンフラビンは大麻の中にごく僅かしか含まれておらず、研究に使う量を集める事が容易ではないので今後の研究開発ではそれが問題となってくることが予想されている。 https://www.ctvnews.ca/health/ont-researchers-hope-to-create-pain-relievers-from-potent-cannabis-flavonoids-1.4520829?fbclid=IwAR35qdxnBjDT-HSmW7IH1bKOQ9gfPNpJadcDt5s9wBvQF4JlTFqzJDpd-e4 参考ニュース : CTV NEWS

医療大麻と嗜好大麻

大麻という植物が世界中を賑わせている。 もちろん各国それぞれ法律が違い、その取り扱い方も千差万別だ。 僕が住んでいるカナダでは2001年に医療大麻が、そして2018年には嗜好大麻が合法化された。 隣国アメリカも連邦政府での合法化には至ってないが、各州それぞれ独自の方針で大麻に向き合い、多くの州が合法化を実現している。 またそれに伴いFDA(アメリカ食品医薬品局)も忙しく対応に追われている。 日本にも当然その波は押し寄せて来ており、すでに大麻成分を含むてんかん薬エピディオレクスの治験も始まっている。 医療大麻に関する審議が国会で加速するのもそんな遠い未来ではないような感じもする。 また昨今のCBDブームは日本も例外ではなく次第に盛り上がりを見せている。 次々と海外で合法化されていく医療大麻に興味を持つ人も少しずつ増えだし、インターネット上では日本人による大麻に関する発言も増え続けている。 大麻はタバコ、アルコールに比べ体への害が少なく、健康管理にも有用であるというのが現在のグローバルスタンダードになりつつある。 しかし大麻取締法により長い間「ダメ、ゼッタイ」と教育されて来た日本人にとってはすんなりと大麻を受け入れる事は簡単ではないようだ。 その要因の1つになっているのが「医療大麻」と「嗜好大麻」という言葉の存在である。 大麻に対しての知識がない人がこの2つの単語を見た時に、大麻には嗜好用と医療用とがあるように捉える事が出来る。 それでは本当の所はどうなんだろうか? 実際に合法国で人々はどのように大麻と向き合い、そして「医療大麻」「嗜好大麻」という言葉をどの様に捉えているのかを考えてみたいと思う。 医療大麻とは? 2019年現在、北米をはじめ世界中において大麻は医療の分野で様々な形で使用されている。 エピディオレクスのようなFDA(アメリカ食品医薬品局)に認められた大麻成分を含む製剤もあれば、日本で売られている様な民間企業が大麻から成分を抽出して作ったCBDオイルなどもある。 不眠症や慢性披露、うつ、抗がん剤治療の吐き気止めなどには乾燥された大麻の花穂をそのまま使う人も多い。 また喉に問題があり喫煙をする事が難しい人や、花穂を砕いてジョイントを巻くなど手先の細かい作業が難しいパーキンソン病患者はエディブル(大麻クッキーなど食べる為に加工された物)にして使う人も多く見られる。 カナダでは医者の診断により大麻の使用が認められた人は、カナダ政府が指定するライセンスプロデューサーと呼ばれる会社の中から好きな会社を選んで大麻を購入する事が出来る。 各ライセンスプロデューサーはオイルを作っている所もあればそうでない所もあり、それぞれ別のオリジナル商品、品種を取り扱っている。 またライセンスプロデューサーから購入した医療大麻は税金控除の対象にもなる。 嗜好大麻とは? それでは嗜好大麻はどうなんだろう? 嗜好大麻の生産は医療大麻と同じくライセンスプロデューサーが行っているのだが、医療大麻だけを作っている会社もあれば嗜好大麻、医療大麻の両方を作っている会社もある。 それらの嗜好大麻は「ディスペンサリー」と呼ばれる店で販売されている。 ディスペンサリーとは「処方箋薬局」という意味の言葉なのだが、最近は嗜好用でも医療用でも大麻販売店は全てディスペンサリーと呼ばれるようになってきている。 そこで購入した大麻はもちろん自分の好きな方法で使う事ができ、また他人とシェアする事も出来る。 ほとんどの人はジョイントを巻いたり、ボングやパイプで吸ったりとバッズをそのままの形で消費するが、喫煙に抵抗がある人はオイルを作ったりカンナバターを作ってエディブルを作る事も出来る。 医療大麻と嗜好大麻の違い 人々を混乱させている原因の一つである「医療大麻」と「嗜好大麻」との違いは何なんだろうか? 品種の選択 大麻は大きく分けるとサティバとインディカに分類されるという事は多くの人がご存知だと思う(ここではルデラリスは省略します)。 更にその中に沢山の品種がありそれぞれ違う効果があるのだが、その効果によって医療大麻を必要とする患者は自分に合った品種を自由に選択している。 嗜好大麻の場合も同じくディスペンサリーには沢山の品種の大麻が販売されており、利用者は自分好みのエフェクトが得られる品種の物を選んで購入することが出来る。 使い方 医療大麻の使い方は様々だ。 癌患者に使われるRSOはオイル状で経口摂取、最も簡単で素早くカンナビノイドを接種できる喫煙とベイプ、喫煙に問題があるがカンナビノイドを必要とする人に好まれるエディブル、乾癬など皮膚に疾患がある人が使う大麻成分を含む軟膏などがある。 喫煙は嗜好目的で使用する場合でも最も一般的な大麻の使い方だ。 シャターなどオイルは比較的新しく現れた文化で、バッズを燃やして吸うよりクリーンな事から嗜好目的でもベイプは人気がある。 また医療目的と同じ理由で、嗜好目的の場合も喫煙に問題がある人にエディブルが好まれており、大麻クッキーやTHCオイルの入ったカプセルなどその形態は様々である。 結論 合法国の大麻に関する記事を読んでいると、”A lot of people medically use recreational marijuana”という表現をよく目にする。 日本語にすれば「多くの人は嗜好大麻を医療目的で使っている」。 これは合法国に住む人々が、医療目的と嗜好目的で使う大麻は同じ物であると捉えているこ事を意味している。 人々は医療目的でも嗜好目的でも同じ大麻を使うのだが、制度上この2つの言葉が生まれたのだ。 まとめ …

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Agrima Botanicalsライセンス抹消

カナダ保健省はブリティッシュコロンビア州に本社をおくライセンスプロデューサーAgrima Botanical社が所有するproducer and dealer’sライセンスの正式な取り消しを発表した。 これは2013年に医療大麻を生産する為のライセンスACMPRが発行されて以来初めての登録抹消となる。 昨年2018年11月カナダ保健省の検閲により許可する範囲を超えた営業が確認され、Agrima Botanical社にはそれに対し7月12日まで異議申し立てをする期間が与えられていたが、保健省が納得する回答を提出することが出来なかった。 許可範囲を超えた営業の内容は大麻に関する事という以外は発表されていない。 Agrima Botanicals社は現在カナダ保健省のサイト上に登録抹消業者として記載されている。 https://www.cbc.ca/news/business/health-canada-revokes-licences-of-b-c-cannabis-producer-agrima-1.5212291 参考ニュース : CBC/Radio-Canada

業界インタビュー / Dana Larsen

2018年カナダは嗜好大麻を合法化させたが、そこに至る歴史の中には数多くのストーリーが存在する。 そして合法化された今でも更なる理想形を求め、自らの身を捧げ続ける活動家たちは新しいストーリーを生み出し続けている。 カナダの大麻活動家と言えばまずマーク・エメリーとそのパートナーのジョディー・エメリーを思い浮かべる人が多いだろう。 やはりこの二人のカリスマ性は大きく、カナダ国内でも圧倒的な認知度である事は間違いない。 しかし実は他にもその二人と同じ様に活動の中心に立ち、カナダの合法化推進派の人たちをリードし合法化の立役者となった人物がいる。 その人物の名前はダナ ラーセン (Dana Larsen)。 世界中で大麻合法化が盛り上がっている昨今、ご存知の方もいるのではないだろうか? 今回は彼の今までの活動を振り返り、大麻合法化へのヒントを考察してみたいと思う。 そして何とカンナビスジャパンセントラルはこの記事を書くにあたり本人と直接お話しする機会をいただいた。 現在の彼のプロジェクトの状況、そして日本の活動家の方たちへのメッセージもいただいたので記事の後半で紹介したいと思う。 ダナの人物像 カナダで最も有名な大麻活動家であり、世界中のドラッグ戦争を終わらせる為にハームリダクションというアプローチを提唱している最も有名な活動家の1人だ。 活動家であり、実業家であり、作家であり、政治家でもある。 カンナビスカルチャーマガジンの編集者も10年務め、またVancouver Seed Bank(バンクーバーシードバンク)の創始者でもある。 作家としては現在も活動中で著書にはHairy Pothead and the Marijuana Stone, Green Buds and Hash, The Pie-Eyed Piper, and Cannabis in Canadaなどがある。 対外的に最も目立つ活動としてはバンクーバーの420、カンナビスデー、など世界屈指の巨大マリファナイベントの主催者の一人でもある。 合法化前からの活動 彼ほど大麻合法化の為に自らの人生を捧げてきた人を探すのは容易ではない。 ハームリダクション活動家(大麻合法化活動を含む)、作家、政治家、そして人権活動家。 様々な顔をもつ彼だが全ては最初のハームリダクションというドラッグに対する新しいアプローチだ。 全て網羅すると長編小説になってしまうので、今回は彼の活動の中でも代表的なものにスポット当ててみようと思う。 The Medicinal Cannabis Dispensary カナダで嗜好大麻が合法化される10年前の2008年にダナがバンクーバーで始めた医療大麻ディスペンサリーの名前である。 今では当たり前の様にあるディスペンサリーだが、カナダで1番最初に看板をだし営業し始めたのがこのダナのディスペンサリーだ。 もちろん違法であったがダナは医者の診断がしっかりとされた医療大麻を必要としていた人たちに大麻を安い値段で抵抗し続けた。 また過去に戦争に行きPTSDに苦しむ元軍人の人々、ホームレス、また大麻を買うお金がない人たちに無料で提供する事もしていた。 しかしニュースでも伝えられたが、2019年6月にバンクーバー市の命令により遂にその歴史ある店舗は幕を下ろす事になってしまった。 本人はその命令が納得できなかったので営業の継続考えたそうだが、いま逮捕される事は得策ではないという判断から1時的な閉店を決めたようだ。 今まで逮捕されることも恐れず行動してきた彼がとった事なので、きっとこの先のプロジェクトを考えての行動だろう。 またダナはバンクーバーで他の場所にもディスペンサリーを経営しているので、そちらから今でも商品の購入は可能である。 OverGrow …

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ニューヨークでCBDが禁止へ?

アメリカのフリーペーパーmetro紙が先日、ニューヨークがCBDを含む食品及び飲料の販売禁止に踏み切ったとのニュースを報じた。 2017年ごろからジワジワと人気が上がり始め、昨年2018年から日本を含め世界中で大ヒットしているCBD。 今回のこのニューヨークの動きの内容をより詳しく掘り下げ考えてみたい。 なぜニューヨークはCBD禁止に踏みきった? metro紙の記事によると今回の規制は7月1日から有効だが、法的罰則は10月1日から課されることになるとの事。 ではなぜ今まで売られていたCBD製品が突如ニューヨークで販売禁止になったのだろう? その原因はFDAである。 FDAが食品や飲料水にCBDを添加して販売することは法律に違反しているという見解を示したのだ。 それにともないニューヨーク市はCBDを含む1部製品の販売の禁止に踏み切ったのだ。 禁止された製品 さらに先月6月16日にはCBDを含むカンナビノイドが添加された食品へのFDAの公式見解も What You Need To Know という形で発表している。 現在はまだCBDの効果やリスクが十分に分かっていないので、調味料や添加物のように扱われるべきではないという見解だ。 また実際に商品を検査してみると、表示されている様なカンナビノイドが含まれていない物、重金属や化学物質が検出される物など多数見つかったという事だ。 そこで今回FDAは飲食店で料理などにCBDを含むカナビノイドを添加する事、CBDを含む全ての飲食品の販売は違法であるという見解を示したのである。 カナダとの違い では何故カナダでは同じような問題が起こっていないのだろう? 実はカナダでは昨年2018年に嗜好大麻が合法化されて以降、政府が大金を投入して大麻の品質管理に取り組んでいるのだ。 カナダの大麻農家が栽培した大麻は、加工されるかパッケージングされる前に保健省の厳しい基準をクリアーしなければいけないのだ。 その検査項目は重金属、残留化学物質はもちろんカンナビノイドの含有量も基準通りでなければならない。 またアメリカでは個人が作りパッケージングしたDIY製品のような商品も売られており、そのような商品の中には最終検査を受けずに店頭に並んでいる物も未だ多くそれも今回の原因の1つだろう。 ここで1つ付け加えておきたい事は、カナダでそれらの検査をクリアーするという事は健康被害のリスクの回避する為あって、嗜好大麻としての厳しい基準をクリアーしているのかと言うとそうではない。 嗜好大麻となると味や香りも評価の対象になってくると思うが、カナダ保健省は検査項目はあくまで安全に関する事だけである。 これからの展開?日本はどうする? 今回のこのFDAの動きは今後の大麻市場にどういう結果をもたらすのだろう? また日本のCBDマーケットへの影響はあるのだろうか? アメリカでそのような製品が出回っているという事は、それを輸入している日本でもすでに同じことが起こっているのは想像に難くない。 また現在日本では同じように海外から輸入されたCBDがさらに国内加工された商品として出回っているものも多い。 そしてその様な加工も無菌室などのクリーンルームで行われているのかは疑問がだ。 大麻の良さの1つにDIYとしての取り扱いやすさが挙げられるであろう。 しかし実際には多くの人々が医療目的で店頭でCBD製品購入しているのが現状なのだ。 そこで曖昧なルールのまま月日が流れていけば、いつか健康被害が起こってもおかしくなかったんじゃないだろうか? FDAはさらなるリサーチの後のアップデートも示唆しているので、ニューヨークにCBD製品が戻ってくるのもそんなに遠い未来ではないと期待している。 しかしFDAがCBDの利権を独り占めしようとしているという様に見えなくもないので、そこの動きは今後注視したいところだ。 日本もCBDが製品として出回り多くの人が医療目的で使用し始めている以上、なんらかの規制が必要になってくるだろう。 また輸入されたカンナビノイド製品の検査が出来る制度もそろそろ必要なのではないだろうか?

青山哲也さんの人道的大麻所持に無罪を求めます

大麻取締法の悲劇はいつまで続くのだろう。 世界では大麻の研究が日々進んでおり、すでに100か国以上で医療大麻が合法化されている。 非犯罪化など寛容政策をとっている国を数えると世界の半数以上になり、実際にインターネット上でも毎日の様に世界で起こっている大麻に関する法律改正のニュースを見ることが出来る。 しかし日本は依然として「ダメ、ゼッタイ」と繰り返し続け、その姿勢を変えようとせず毎年何千人という数の人たちが大麻取締法によって逮捕されている。 世界と逆行する日本の大麻取締法 2001年カナダでは医療大麻制度が導入され2018年には嗜好大麻が合法化された。 アメリカでは1980年代に起こったAIDSの流行をきっかけに医療大麻合法化運動が活発化し、1996年にカリフォルニア州が医療大麻制度を導入した。 大麻の研究は日々進んでおり現在では33の州で医療大麻制度が導入されている。 国連機関である世界保健機構WHOも大麻の安全性の見直しを行いホームページ上で大麻の医療効果を認め、その研究の必要性以下の様に挙げている。 Several studies have demonstrated the therapeutic effects of cannabinoids for nausea and vomiting in the advanced stages of illnesses such as cancer and AIDS. Dronabinol (tetrahydrocannabinol) has been available by prescription for more than a decade in the USA. Other therapeutic uses of cannabinoids are being …

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大麻犯罪の経歴

人類は今まで何度となく間違いを繰り返し続けてきた。 その間違いから学び、改め、そして現在へと繋いできた。 そしてまた1つカナダで何かが変わった。 もう仕事を探す時に余計な事を考えなくてもいい。 本当にやりたい事が出来るようになる。 パスポートをとって他の国にだって行けるようになる。 この日が来るのを待っていた人も多いだろう。 沢山の人が待ち望んでいたニュースがカナダ国内に流れ、それと同時にカナダ政府のサイトに以下の内容がアップされた。 this legislation will expedite the pardons process (also known as a record suspension) for people convicted only of simple possession of cannabis, eliminating the $631 application fee and the up to 10-year wait period.  引用 : Government of Canada 過去に大麻の単純所持で逮捕された経歴がある人が恩赦を受ける事が出来るようになったのだ。 通常カナダで恩赦を受ける為には刑の満期から10年経過している必要があり、また$631の申請料がかかる。 それもこのBill C-93(新しい法令)が施行されれば免除されるというニュースだ。 恩赦の理由 今回の恩赦はもちろん昨年2018年の嗜好大麻合法化が発端となっている。 ではその合法化と今回の恩赦の背景にあるものとは一体何なんだろう? カナダでは2001年に医療大麻制度が導入された。 …

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医療大麻は吸いたいだけの言い訳?

Twitterを眺めていると、オープンに大麻に関して話している人が数年前と比べ急激に増えてきているように感じる。 ウルグアイや北米の合法化の影響も大きいのだろう。 医療大麻合法化を推進しようとする者の声が昔より多く聞こえ始めた。 するとそれに呼応して反対派の人たちも出てきた。 物事に対して色々な意見が出てくる事は良い事であり、またそれは社会が健全であるなら当然の事でもある。 そこでカンナビスを愛する我々 Cannabis Japan Central (カンナビスジャパンセントラル)もここに意見を記しておきたいと思う。 大麻合法化に賛成派の理由 医療効果がある 嗜好大麻が合法化されている国はまだそんなに多いとは言えない。 しかし医療大麻となると世界の100か国以上ですでに合法化されている。 これら1連の動きは大麻の医療効果が科学的に証明され始めて来ている事の表れであり、ひいては今でもほぼ毎日の様に大麻の医療効果を示す研究論文が世界のどこかで発表されている。 最近では同じアジアの韓国とタイで医療大麻の導入が始まり、また我が国日本でも難治性てんかんの治療薬エピディオレックスの治験が遂にスタートした。 北米では20年近く前にすでに医療大麻制度が導入されており、数えきれない程の数の人間が大麻のを恩恵を受けてきた。 安全性 世界中で沢山の人が嗜好目的で大麻を使用していて、毎日の様に吸っている人も少なくはない。 彼らは何十年と吸い続けることによって大麻の安全性を自ら実感しているのである。 またイベント、パーティー時などの使用においてもその安全性の差はアルコールと比べても歴然である。 先日バンクーバーで行われた毎年恒例の420イベントでは世界中から10万人以上参加したにも関わらず大きな問題となるような事故は一切なかった。 エディブルを食べすぎて救急に駆け込んだケースが14件あったがいずれも大事には至らなかった。 https://www.straight.com/news/1230951/vancouver-police-report-14-medical-emergencies-no-major-incidents-420 バンクーバーのフリーペーパー The Georgea Straight その一方で日本の昨年のハロウィーンはどうだっただろう? 暴徒化した1部の人間が軽自動車をひっくり返し、それを見ていた周りの人たちもパーティー状態で大盛り上がりするという状態だった。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37045310Y8A021C1000000/ 日本経済新聞 大麻合法化に反対派の理由 大麻の医療効果を悪用している 大麻の医療効果を主張し悪用すことによって本当は大麻を吸いたいだけの自分の欲を満たそうとしている。 実際に医療大麻の合法化を主張する人間は、過去に嗜好目的で大麻を利用した事がある人がほとんどである。 大麻は体に悪い 海外では医療目的で大麻が処方されているが、それは癌やエイズなどで末期症状の患者たちが苦しみから逃れるために処方されたりしている。 また大麻の長期使用は大麻精神病を発症させる。 合法化するメリットがない アルコールより健康被害は低そうだが、完全に無害という訳では無さそうのでそういったものを敢えて合法化する必要がない。 医療目的では使えるのかも知れないが、既存の薬で今まで対応出来てきたのにそこに大麻を持ち込む必要がない。 合法化したからと言って反社会勢力への資金源を断てる訳じゃない。 この先の日本はどうなる? 医療大麻合法化に反対する人たちの意見を聞いていると違和感を覚える事がある。 いや、それは1部の賛成派に関しても同じ事だ。 それは賛成、反対する理由が大麻そのものではなく、大麻に賛成する人たち(反対する人たち)である事が多いからである。 大麻の医療効果を主張するのにその人間の過去の大麻使用歴がなぜ関係あるのだろう? どうして過去に大麻の使用歴があったら、その人の医療大麻に関する意見は信ぴょう性を失ってしまうのだろう? むしろ経験者から話しを聞くべきというのはどんな物事にも当てはまるんじゃないだろうか? この記事の最初でも述べたように色々な人が様々な意見を持つことは良い事である。 その意見の違いが議論を誘発し、より良い物へと変わる切っ掛けとなるからだ。 なので賛成派もその様に闇雲に反対する人たちを無知だと切り捨てるべきではないだろう。 議論は握手から始めるべきで、握手で終われるように進めていきたい。 的を得ない記事を読んでイライラする事もあるし、常にリスペクトを持つことは簡単ではない。 …

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オイルもエディブルも合法に?

2019年10月17日にカナダで嗜好大麻が合法化されたが、全てが許されたわけではない。 カナダで合法のディスペンサリーに行った事がある人なら気付いたかも知れないが、実はエディブルとシャター、バダーなどBHO (Butane Hash Oil)を含むオイル関係の物はまだ合法化されていないのだ。 現在の法律で合法な物は何? 合法化前にまだ政府、警察そして国民が大麻をグレーゾーンの物と認識していた頃はハッキリとしたルールがなかった為、取り締まりも甘く今以上に大量に出回っていた。 しかし合法化の日以降はほとんどの業者は逮捕を恐れてそれらの商品を棚から消した。 バンクーバーの一部の無許可ディスペンサリー、オンラインディスペンサリーなどではもう数年前からオイルやエディブルは販売されている。 そして今でも継続営業している人たちもいる。 しかし彼らは逮捕のリスクを認識しながら営業を続けるている活動家であったりりするので、今回のテーマからは除外する。 カナダ政府の法律で2019年6月現在、合法なディスペンサリーで購入することが出来るのはバッズとティンクチャーである。 オイルとエディブルはいつから買える? 2019年6月14日のニュースによると昨年の合法化の日と同じ日付の10月17日に合法化され、その訳二か月後、クリスマス前には店頭に少しづつ並びだすとの事。 https://www.cbc.ca/news/politics/marijuana-cannabis-edibles-extracts-vaping-1.5174844 CBC/Radio-Canada これが実現されれば化粧品など美容業界へも大麻が進出していく事になる。 一方でレストランなどで大麻を使用した料理を提供することは認められない事になった。 その他にTHC含有量や未成年に配慮したパッケージングに関する規制もある。 https://www.cbc.ca/news/politics/edibles-legalize-cannabis-rules-1.5175689 CBC/Radio-Canada 予想される今後の展開 現在カナダではヘンプに関する法律改正の議論も進んでいて、市場がさらにオープンになる事が予想される。 また輸出に関する規制もそれに伴い変わっていく運びである。 今回発表されたカナダでのエディブルの合法化は、ひょっとしたら日本のCBDマーケットに影響を与える事も考えられる。 日本でカナダ産のCBDエディブル、化粧品を見る日も遠い未来ではないのかも知れない。