大麻に関わる仕事と言ってもその種類は多く人によって思い浮かぶものも違うだろう。
嗜好大麻が合法化されているカナダではその市場規模が大きく、例えば大麻農家と言っても作業を統括するマスターグロワーがいれば作業の中でもトリミングを行うトリマー、プラントの手入れをするカルティベイター、ファームの管路をするセキュリティーなど職種は細分化され挙げればキリがない。
大麻製品を作る仕事でもオイルやアイソレートを作るエクストラクターがいれば、そのエクストラクターが作ったオイルや大麻草そのもの使ったエディブルを作る仕事に関わる人達もいる。エクストラクターの中でももちろん作業は分けられている。
その他に製品のパッケージング、小売業、医療、物流、飲食業などこれからも更に様々な形で色々な仕事が大麻に関わる機会が出てくるだろう。
そこで多くの人が気になるのは一体どのくらいの給料がもらえるのか?という事ではないだろうか。
僕がいただく問い合わせの中でも特に多い質問の1つでもある。
そこで今回は代表的な職種とその内容、そして給料にフォーカスして紹介してみようと思う。
マスターグロワー (Master Grower)
大麻草を栽培するビジネスの中では花形的なポジションであるのが「マスターグロワー」。
会社によっては「ヘッドグロワー」や「ヘッドオブセキュリティー」と呼ばれることもある。
仕事の内容は大麻プランテーションの総合的な管理である。
潅水システムやライトなどの機器の管理はもちろん、グロウルーム内の温度や湿度の管理、栽培方法、グロウに関する全てを彼らが決めていきその下で働くスタッフ達の指揮をとるのがマスターグロワーである。
仕事の募集案内を見ていると多くの会社では生物学、園芸学、農学などを大学専攻し卒業している事と3年以上の大規模プランテーションでの就業経験が条件となっている。
給料は年俸で表示されることが多く年間$75.000~$130,000となっている。
トリマー (Trimmer)
その名の通りトリム(大麻草から余分なリーフを切り落とし花穂の形を整える事)をする事がメインの職業である。
手作業でトリムする事もあるが、現在は多くの会社ではマシーントリムを行っている。
募集要項では高校卒業以上を求めていることが多い。
給与は時給$13~$16が相場となっている。
品質管理 (Quality Assurance)
この職種の内容はかなり幅が広くなっている。
大麻そのものの品質管理を行うのだが、品質に関わってくる要素と言うのはあらゆる物があるからだ。
在庫の管理方法や衛生管理など短期スパンで変わり続けるカンナビス法に関する情報を常にアップデートし、それに対応していくのも大きな仕事の1つである。
多くの場合はQuality Assurance Personがリーダーとなりその下にQuality Assurance Technicianが働いている。
給与はQuality Assurance Personで時給$22~$26、Technicianだと時給$17~$20位が相場となっている。
どちらも大学卒業以上の学歴が求められることが多いようだ。
オイル抽出 (Extract Technician)
この仕事は大麻草の加工である。
大麻草からカンナビノイドを抽出するのがメインの仕事で、その抽出された物はさらに加工されオイルやエディブルとして販売される。
多くの機械を必要とし、それらの機械は常に衛生的に保たれていなければならない。
給与は時給$18~$20辺りが現在の相場である。
カルチベーター (Cultivator)
インドア、アウトドアの大麻栽培ででマスラーグロワーの指示に従い大麻草の管理、収穫を行う。
学歴はあまり求められないが、1日当たり10時間、12時間シフトが多いようだ。
多くは体を使った仕事内容になっている。
時給は$14~$18となっている。
パッケージ包装 (Packager)
大麻製品を販売する為にパッケージ包装するのが仕事である。
給与はあまりよくなく時給$13~$16位といったところである。
バッドテンダー (Budtender)
ディスペンサリーで店頭に立ち大麻を販売する仕事である。
分かりやすく言えば販売員なのだが、大麻に関する多くの知識が求められる。
私が住んでいるサスカチュワン州においては、州が行う講習に参加し許可証をしゅとくしなければバッドテンダーとして働くことは出来ない。
求められる資質はバーテンダーに似ている所が多いのだが、大麻マーケットで仕事を得る為には「フレンドリー」である事も大きなセールスポイントになる。
給与は$15~$22と幅広くあり、それは店舗によって求められる物の多さが違いとなって金額に表れている。
まとめ
代表的な職種だけ簡単に紹介したが、会社の規模によって仕事の内容は細分化されたり一括化されたりするという事は覚えておいていただきたい。
またカナダでは犯罪経歴証明書を提出することになっており、前科がある人は大麻関係の仕事につく事は出来ない。
これは将来日本で合法化がされた時にも同じ事が起こる可能性があるので、その時の事を考えている人は警察のお世話になるような事がない様に注意してもらいたい。