2018年の合法化以降カナダの大麻ビジネスはドンドンとその勢いを増して来ています。
初年度は各州に数件しかなかったディスペンサリーも現在は州によっては300店舗を超えるまでになりました。
業界で働きたいと考える人も多く、それは日本人も例外ではありません。
将来は大麻業界で生計を立てたいと考える日本人が次々と合法国へ渡り、ここカナダへワーキングホリデーや留学でやってくる人も多くいます。
今回はそんな人たちの中で人気の職種の1つであるバドテンダーについて解説していこうと思います。
少しでもバドテンダーへの道に進もうと考えている人の助けになれば幸いです。
バドテンダーとは?
バーなどのカウンターでお客さんにカクテルなどを作り提供するバーテンダーという職業は多くの人がご存知かと思います。
英語のスペルはbartenderでこれはbar+tender という2つの言葉が合わさって出来た単語です。
barはもちろん日本語の「バー」「飲み屋」という意味です。
tender の意味はあまり知られていないかも知れませんが、これは「世話をする人」という意味です。
ではバドテンダーはどうでしょう?
バドテンダーは英語でbudtenderで同じ様に考えるとbud+tenderの造語だという事が想像できると思います。
では「バド」とはどう意味でしょう?
これは日本語で呼ばれるバッズの事で花穂の事です。
英語にすると「buds」、複数形になっているのでsをとって「bud」となります。
つまりバッズのテンダー、ディスペンサリーの販売員の事です。
ちなみにバドワイザーというビール会社がありますが、こちらは大麻のバッズとは一切関係なく、チェコのバドワイズという地域が名前の由来となっている様です。
合法化前と現在の違い
カナダ、特にバンクーバーでは2019年の合法化前より既に沢山のディスペンサリーが存在し多くの人が働いていました。
僕を含め日本人でもそこで働いている人はいましたが、当時はまだ違法でありそこで働くには警察の取り締まりというリスクがありました。
そかし合法化された現在ではだれでも気軽に応募できる職種の1つとなり若い人を中心に人気の職業となっています。
制度も少しづつ整い品質管理の基準も設けられ、ディスペンサリーで働く為の条件も全国的に平均化してきました。
そこで次からの章ではディスペンサリーで働く為に必要なスキル、労働条件などについて解説していきます。
英語力
カナダで働くにあたって一定の英語力必要になる事は言うまでもありません。
しかし職種により必要となる英語力も様々です。
日本での例を想像してみると分かりやすいかも知れません。
例えば最近の日本のコンビニでは外国人の方が働いているのを見る機会が多くなり、中には日本語がまだ不自由な方も多く見られるようです。
しかしコンビニでの作業内容は単純なモノが多いため、それほど高い日本語力は必要ではありません。
それに比べアパレルショップなどで働く外国人を見かける機会は少ないですよね?
それはコンビニでの仕事よりアパレル販売の方が日本語力が必要である事が関係しています。
それはカナダでも同じ事です。
カナダのディスペンサリーでの仕事は、日本のコンビニでの仕事に比べてお客さんと会話をする機会が多いでしょう。
お客さんの中には合法化を機に大麻の使用を始めた人も多く、そういった人達はあまり大麻に関する知識がありません.
その様な場合にはバドテンダーの接客サービスが販売のキーとなるので、最低限の日常会話、品種を選ぶ際のアドバイス、そして伝票などを読むなどが出来る英語力は必要になってきます。
学歴と資格
カナダで仕事を探す際は日本と同じようにインターネットを利用する事が一般的です。
日本でも運営されている求人情報専門サイト「indeed」はカナダでも多くの人に利用されており、検索キーワード欄に「budtender」や「cannabis dispensary」と入力すると、ディスペンサリー関係の求人案内が多く掲載されている事が分かります。
多くの求人広告には「Requirement」という項目があり、そこに応募条件が記されています。
多くのバドテンダーの求人ではGrade12以上 (日本の高校卒業) が求められるようですが、そうではない求人も数多く見られます。
マネージャー(店長)のポジションに応募する場合には大卒以上の学歴が求められることが稀にある様ですが、多くの場合はそ学歴よりマネージメントの経験が求められています。
その経験は大麻業界での経験である必要はない様ですので、日本の小売店で店長などのポジションに就いたことがあればそれは経験として考慮されます。
ディスペンサリーで働くにあたり資格は必要ありませんが、多くの州ではディスペンサリーで働く全ての人に研修を義務づけています。
首都トロントがあるオンタリオ州では「CannSell」というプログラムがあり、このプログラムを受けなければディスペンサリーでの就業を開始する事は出来ません。
こちらは$64.99で誰でも受講する事ができ、最後のテストに合格すればディスペンサリーで働く事が出来るようになります。
前章の英語力の話しにも繋がる事ですが、ディスペンサリーで働く為にはこのプログラムを受けテストに合格するだけの英語力は必要になるという事です。
バドテンダーの給料?
ワーキングホリデーなどでカナダに来てディスペンサリーで働こうと考えている人の多くが1番気になるのはやはり給料ではないでしょうか>
カナダでは多くの仕事の給料は需給で計算され支払われます。
バドテンダーの仕事もまず時給計算と思っておいて間違いはないかと思います。
下の写真は2020年3月のもので現在のカナダのバドテンダーの平均時給は$16.01となっています。
しかしこれは地域によっても差が出てくることも多く、また就業期間が長くなれば時給単価が上がる事もあります。
更に下の写真は 「indeed」 でバドテンダーの仕事を検索した時のものですが、やはり時給$14~$17とバラツキがあります。
これから更に大麻の需要は高まり、ディスペンサリーの数も大幅に増えることが予想.されています。
そのため給料が下がるなどの影響が出てくる可能性も考えられるので、将来バドテンダーとして仕事に就きたいと考えている方はその辺りも考慮した方が良いのかも知れません。
まとめ
カナダでは若者を中心にバドテンダーは人気の職業となっています。
外国人である私たち日本人にとっても決して仕事に就くことは難しくありません。
しかしある程度の準備が必要である事はこの記事から分かってもらえたかと思います。
もし私の友達が日本に住んでいてカナダでバドテンダーの仕事に就くことを目指しているなら、私は英語の勉強と販売業の経験を積む事をオススメします。
カナダでバドテンダーを目指す読者の方はカナダに来たらその力がすぐに発揮できる様に日本に居る間からしっかり準備をしておきましょう!