カナダ、オンタリオ州にあるゲルフ大学の研究者たちは大麻に含まれる成分カンフラビンA, Bが生成されるプロセスを解明したと発表した。
生化学とゲノム生物学の技術を用いたこの研究は2019年8月号のPhytochemistryで発表された。
カンフラビンA, Bはフラボノイドの一種でTHCやCBDより抗炎症作用が強く、アスピリンの30倍の鎮痛効果があると言われている。
またTHCのような精神作用はない。
カンフラビンA, Bの存在は1985年に確認されているのだが、当時はカンナビスに対する規制が強く研究が進められることはなかった。
しかしカナダでは2018年の嗜好大麻合法化によってそれらの研究をする環境が以前より整ったので今回の研究に至った。
北米では慢性痛にオピオイド系鎮痛剤が処方されることが多いのだが、副作用や中毒性が危険視されている。
またオピオイド系鎮痛剤は脳にある痛みを感じるレセプターに作用を及ぼすのだが、カンフラビンはそれとは違うメカニズムで作用する為、中毒性がない自然由来の鎮痛剤としてこれからの研究開発に期待が集まっている。
しかし問題もある。
今回の研究で生成のメカニズムは解明されたが、実際にそれを商品化する為にはカンフラビンを作り出すバイオシステムのさらなる開発が必要になってくる。
カンフラビンは大麻の中にごく僅かしか含まれておらず、研究に使う量を集める事が容易ではないので今後の研究開発ではそれが問題となってくることが予想されている。
参考ニュース : CTV NEWS