低価格なバッズが売れ筋?
2018年の嗜好目的の大麻の使用が合法化されて以来、様々な意見や批判が飛び交っていますが、一番よく聞かれる声の1つに高い価格設定が挙げられます。 そのため合法化以降もディスペンサリーでは購入せず、より値段の安い違法な売人から買う人の割合が50%以上を占めていました。 あれから約1年半が経過した2020年現在、合法市場ではその流れを受け安価なバッズ作り競争が激化し始めており、1/8オンス(3.5グラム)辺り$20前後のバッズに人気が集まりだしています。 消費者にとっては益々選択肢が増えて嬉しい限りですが、生産業者、小売業者にとっても様々な影響が出ています。 その影響で実際にディスペンサリーに足を運ぶ人の数は増えて売り上げも上がってきているのですが、その代わりに利益率の低下という犠牲を払っています。 それでは実際にどのくらい値段、利益率の変化が起こっているのか見ていこうと思いおます。 低価格ラインの動向 Canopy Growth 世界を代表するカンナビス企業Canopy Growth社は、カナダが嗜好大麻の使用を合法化した当初よりバリューブランド「プレーンパッケージング」シリーズを発売し、若者を中心に低価格帯の商品の購入を希望する人たちの間で人気を集めていました。 Canopy Growth社のシニアコミュニケーションアドバイザーであるグリーンブラット氏によると、合法化直後から発売されたこのシリーズには広告費もほとんど使われておらず、また開発にもリソースを投入せずプロトタイプとして販売されていました。 しかし昨年2019年5月にリブランドされ、現在は「Twd」の名で店頭で人気を博しています。 Organigram またカナダ東部のニューブランズウィック州に本社を置くオーガニグラム社の「Trailblazer」も合法化当初からあるバリューブランドの1つです。 Trailblazer is a cannabis brand designed in celebration of progress and the road less travelled; high-value, high-quality cannabis products that are ready for use. 引用元: Organigram 上記の様に、自社ブランドを説明するオーガニグラム社は、同ラインでベイプカートリッジも発売しており、そちらの価格もバリュー設定となっています。 発売当初は1/8オンス(3.5グラム),1/4オンス(7グラム)といった比較的少量ずつの販売しか行っておりませんでしたが、コロナウィルスの流行で人々が自粛モードであった時にニーズが増えたことから、現在では1オンス(28グラム)での販売も行われています。 Hexo マーケットが本格的にバリューブランドに注視し始めたのは、2019年後半にHexo社のバリューライン「オリジナルスタッシュ」がローンチされた時でしょう。 Hexo のメインマーケットであるケベック州では、同ブランドが1オンス(約28グラム)$125で販売されており、これは1グラム当たり$4.49と非常に安い事から、同社は「ブラックマーケット価格」と表現し、またそれが見事にユーザーのニーズに応えた形になりヒットに繋がりました。 またこの頃から本格的に農家の住みわけが始まりました。 スタンダードライセンスを保有し広大な土地を持つ企業は大量生産に力を入れ、またマイクロライセンスを保有する農家は、それらの企業が作る事の出来ない、手作り感覚のクラフトカンナビスを本格的に作り始めたのです。 Aurora 2020年に入り、バリューラインの製造に力を入れる企業はさらに増加してきており、2月にはカナダの大手大麻企業の1つ、オーロラ社も競合に参加する事になりました。 2020年2月、「デイリースペシャル」というバリューブランドをローンチしており、コロナウィルスの流行がまり大麻のニーズが増えた今年の3月、4月頃にオンタリオ州で一番のセールスあげたのがこちらの商品だったようです。 小売業者の視点 アルバータ州に本社を持つ小売業者(ディスペンサリー)ハイタイドのCEOグローバー氏によると、昨年のバリューブランドの売り上げは全ての大麻製品の売り上げの10%を占めており、今年に入り25%にまで上昇している様です。 […]