カナダ〜アメリカ大麻を持っての国境超えに変化が?

カナダでは嗜好目的での大麻の使用が合法化されてから数年が経ち、また隣国アメリカでも各州が次々と医療、嗜好目的での大麻の使用の規制緩和を進めています。

当然のことながら利用者は合法化前より増え、そこに住む人々の中でも大麻に対する意識が少しづつ変わってきているようです。

しかしそのムーブメントの中ではまた新たな問題が発生し各政府は対応に追われています。

今回の記事ではその新たに発生している問題に対し、カナダCBSA(カナダ国境サービス庁)が発表した新しい対策について焦点を当ててみたいと思います。

基本情報

カナダ、アメリカは大麻が合法化されてるけど旅行の時は大麻を持ったまま移動して大丈夫なのかな?

カナダは国内全土に渡って医療・嗜好目的での大麻の使用が合法化されていますが、お隣アメリカは州によって法律が違い「医療、嗜好目的の両方で大麻の使用が許可されている州」「医療目的での使用のみが許可されている州」又は「一切の使用を認めていない州」があったりと地方により状況は異なります。

そしてアメリカからカナダに入国する際に、カナダは全土で大麻の使用が合法であることから大麻を持ち込むことは問題ないだろうと考え、国境を超えてこようとする人が多くいるようです。

もちろんそれらの許可された地域内で大麻を使用することは何の問題もないのですが、国境超えとなると話しが違ってきます。

カナダは許可された場合や例外(医療目的での許可申請は可能)を除き、大麻関連のものを持っての入出国は禁止しとし法律で厳しく取り締まっています。

これは大麻の花穂や陶酔成分を含んだものだけに限らず、CBDアイソレート、CBDベイプリキッドなどの全くTHCを含んでいないものも対象になっています。

カナダの新たな施策

これまでカナダ側がとってきた対策は皆さんの想像できる通りかと思います。

入国の際に大麻を持ち込もうとしたり虚偽の申請をした場合には、カナダ入国サービス庁の判断で以後の入国禁止などの刑事処罰が下されていました。

これはカナダだけに限らず今でも世界中の多くの国がとっている施策だと思います。

しかし先日飛び込んできたニュースによると、2021年3月29日からその対応が一新され、またその内容が日本人としては非常に興味深いものでした。

どんなふうに変わるんですか?

さらに厳しく取り締まると思ったんじゃないかな?
でも実はそれとは逆に罰金刑にしようという動きなんだ。

発表によると申告漏れや虚偽の申請は$200〜$2,000の罰金の可能性があるとのことです。

以下がニュースの中で語られたカナダ国境サービス庁のコメントです。

It may also pursue prosecution in serious cases, but it stressed that its goal is to discourage illegal activity while also avoiding criminal charges.
The government of Canada is working to reduce the burden on the criminal justice system resulting from cannabis-related offences, while still deterring illegal activities.

深刻なケースは刑事訴訟の可能性もありますが、これはあくまで犯罪を踏みとどまらさせ、刑事告発を避けることが目的です。
カナダ政府は犯罪行為を抑止するとともに、大麻関連の犯罪による司法制度への負担の減少に取り組んでいます。

ニューヨークからも大麻を持った多く旅行者が?

先日ニューヨークのクモオ州知事が嗜好大麻の合法化をめぐる法案の合意にサインしたというニュースをご存じの方は多いでしょう。

アメリカのニューヨークとカナダのトロントやナイアガラは地理的に距離も近く、観光やビジネス目的で多くの人が国境を超えるポイントでもあることから、大麻を持ったままカナダに来る人が更に増加するだろうと予想されています。

またニューヨーク州で嗜好目的の大麻の使用が認められるとはいえ、ディスペンサリーなどの店頭で販売が始まるのは2022年の12月ごろと言われており、カナダのように手軽に手に入れることが出来る様になるまではまだ少し時間がかかるようです。

今回この記事でご紹介している内容はあくまでカナダ側での対応で、アメリカ側は違う対応をしている可能性も十分にありますので、大麻を持っての国境を超える必要がある人は、アメリカ側の対応についてもチェックする必要があります。

まとめ

先日アメリカのバイデン大統領は、自身の任期中には連邦レベルでの嗜好大麻の合法化にサインしないと明言しました。

私を含めアメリカでの嗜好大麻の合法化は目前と考えていた人も少なくはないでしょう。

しかし州レベルでの大麻の合法化はこれから更に進んでいく事が予想されており、いずれはそれも連邦法改正へと繋がるでしょう。

実際にアメリカのホワイトハウスも「議会が合法化案を通してもバイデン大統領はサインをしない」という言い方をしており、これから大麻に関する法改正が進んでいくことを予期しているかの様にも聞こえます。

アメリカで大麻を使う人が増えれば、うっかり大麻を持ったままカナダに来てしまう人も増えるでしょう。

そういった方たちがつまらない勘違いでトラブルに巻き込まれることがないよう、この記事が多くの旅行者の目に触れることを期待します。

【参考記事】
https://www.cbc.ca/news/politics/cbsa-fines-pot-border-1.5965733
https://www.cbc.ca/news/politics/marijuana-seizures-border-legalization-1.5418000
https://www.nytimes.com/2021/03/25/nyregion/ny-legalize-marijuana.html