大麻製品の品質保証(QA)と品質管理(QC)

品質保証(Quality Assurance、QA)とは、製品やサービスが市場で売り出される前に、製造の品質を確保するための手段を指します。
QAは、すべてのプロセスが適切に実行され、その結果の成果物が条件に合致していることを確認します。一方で、品質管理(Quality Control、QC)は、プロセス、サービス、または製品が品質要件を満たしているかどうかを判断するための一連の手段や活動を指します。
今回の記事では、これらの2つの概念の主な類似点、相違点、および具体例について詳しく探っていきます。

主な類似点と相違点

品質保証(QA)と品質管理(QC)は、いずれも品質管理システム(QMS)の重要な要素であり、製品、プロセス、サービスが指定された品質基準を満たすことを確保するために異なる役割を果たします。以下にQAとQCの主な類似点と違いを示します。

類似点

①品質重視: QAとQCの両方は、製品、プロセス、サービスの品質を維持し向上させることに焦点を当てており、顧客と規制要件を満たします。

②プロセス改善: QAとQCは、改善の余地がある領域を特定し、是正措置と予防措置を実施することで、継続的な改善に貢献します。

③顧客満足度: QAとQCは、製品やサービスが常に顧客の期待を満たすことに貢献します。

④様々な文書化: QAとQCのは、品質に関連する活動、基準、手順、結果を記録するために書類(文書)を作成し管理を行います。

相違点

・対象範囲

品質保証(QA)は、製品やサービスが市場に提供される前に製造品質を確保するための仕組みや手順のことです。QAは、製造プロセス全般が適切に行われ、製品やサービスが指定された基準を満たすようにする役割を果たします。
品質管理(QC)は、製品や部品、あるいは作業の途中で起こりえる様々な問題を見つけて修正するために、検査やテスト、評価を行います。QCは通常、製造やサービス提供の過程で何度も行われます。

・目的

QAの最大の目的はは、問題を未然に防ぎ、プロセスが効率的かつ効果的であることを確実にすることです。QAは、製品やサービスを開発する全ての段階で品質を確保するためのフレームワークを築くことを目標とします。
一方、QCの主な目標は、製品やサービスがすでに製造または提供された後に、品質基準から逸脱したり、欠陥がある場合にそれを特定し、修正することです。

・活動時期

通常、QAは、製品が作られる過程全体で行われます。設計や開発から生産、ローンチまでのすべての段階に関わります。
一方、QCの活動は、通常、製品やサービスが作られる過程中や提供された後に行われ、品質を評価する事を目的とします。

・責任の範囲

QAは、組織内の全員が協力して担当するものです。品質に対する考え方を広め、どのレベルでも品質が基準に達している状況を確保します。一方、QCは通常、特定の作業や検査、テスト、評価を専門の人やチームが行います。
製品やサービスが要求された基準に達する様に、欠陥を見つけて修正する役割です。

QAとQCは製品やサービスの高品質を達成し維持するという類似する目的を持ちながらも、異なる範囲とアプローチを有しています。QAは欠陥を予防し、品質管理システムを確保することに焦点を当てています。一方で、QCはテストと検査を通じて欠陥を特定し対処します。QAとQCは、製品やサービスの品質と高い顧客満足度を達成する為に不可欠です。

また有効な品質管理システム(QMS)を作成することで、組織は一貫して高品質な製品とサービスを提供し、規制要件を満たすことができます。QMSは、品質管理、継続的改善、および高い顧客満足度を確立するのに役立ちます。

以下は、有効なQMSを作成するための手順です。

1. 規制要件の理解:
組織の製品やサービスに関連する基準、業界規制、ガイドラインを特定します。
これにはFDAの規則、ISO基準、特定の業界要件などが含まれます。

2. 品質に関する方針と目標の定義:
品質に関する組織の方針を明確にし、品質と高い顧客満足度を確保するためのアプローチ方法を示します。
またビジネス上の目標に合った、測定可能な品質目標を定義します。

3. プロセスの確立:
品質に影響を与える重要なプロセスを特定します。
これらのプロセスを書類で記録し、どの情報が入ってきて、どの情報が出て行くのか、誰がどの役割を果たし、どの責任を持つのか、そしてそれらのプロセスがどのように関わり合っているのかを記録します。プロセスが同じ方法で行われ、一貫性が確保されるようにします

4. 標準作業手順(SOP)の作成:
重要な各プロセスについて、詳細な作業手順書(SOP)を作成します。SOPは、タスクを一貫して行うための、ステップごとの指示やガイドライン、最適な方法を示します。

5. 役割と責任の設定:
品質にかかわる作業のために、誰が何を担当するかを明確にします。品質保証や品質管理、改善活動など、品質に関わる異なる側面に対して、各人の責任を割り当てます。

6. 文書管理の実施:
品質に関わる文書や方針、手順書、用紙、記録を管理し、維持するシステムを用意します。文書が整理され、承認された人々が最新版にアクセスできるようにします。

7. 社員教育とトレーニング:
社員には、品質の基本原則やプロセス、そして各自の役割について教育を行います。
トレーニングを通じて、皆が自分の役割を理解し、品質を保つために協力できるようになります。

8. 測定と監視:
主要な品質パフォーマンス指標を測定し、監視するシステムを導入します。定期的にデータを追跡して分析し、傾向や改善の余地を見つけます。

9. 内部監査の実施:
定期的に内部監査を行い、QMSプロセスの効果を評価します。監査を通じて、問題点や改善の機会を見つけます

10. 是正と予防の措置:
発生した問題や不具合を特定し、調査して対策と予防措置(CAPA)を実行する手順を確立します。
根本的な原因に対処し、再発を防ぐための措置を講じます。

11. 持続的な改善:
全てのスタッフに、プロセスを改善するアイデアを提供することを奨励します。Leanなどの、構造的な持続的改善の手法を導入します。

12. サプライヤとベンダーの品質管理:
品質管理の焦点をサプライヤやベンダーにも向けます。サプライヤが基準を満たしていることを確かめるため、選定、評価、モニタリングを行うための基準を確立します。

13. 経営陣による評価とリーダーの参加:
定期的に経営陣とQMSを振り返り、その効果とビジネス上の目標の整合性を評価します。この様なリーダーの参加は、全体で品質管理の文化を推進するために非常に重要です。

有効なQMSを構築するには、品質向上への熱意、必要なリソース、そして品質要求の変化に対する持続的な取り組みが必要です。QMSは組織の独自のニーズに合わせて調整し、規制や技術の変化、顧客の期待の変化に適応し続けることが大切です。

品質保証(QA)と品質管理(QC)の具体例

品質保証(QA)の例

プロセスの設計と文書化:
QAは、標準化されたプロセスを開発し、手順を文書化し、品質基準の一貫性を確保します。
たとえば、製薬会社は、薬品の製造プロセスに関する詳細なプロトコルを作成し、バッチ間で一貫した品質を確保しています。

トレーニングと能力の向上:
QAは、従業員が自分の仕事に必要なトレーニングを受け、適切な能力を持っている事を確認します。
たとえば、ソフトウェア開発会社では、プログラマーに対して定期的なトレーニングを行い、コーディングの方法や品質基準を最新の状態に保つ様にしています。

監査と検査:
QAには、確立されたプロセスと基準に従っているかどうかを評価するための内部監査も含まれます。
たとえば、自動車メーカーは、製造ラインが指定された品質ガイドラインに従っているかどうかを確認するために検査を行います。

リスク管理:
QAは、潜在的なリスクを見つけ出し、それらを軽減するための措置をとります。
たとえば、航空宇宙業界では、航空機部品の潜在的な問題を見つけ出し、問題が起こる前に対処するためのリスク評価を行います。

継続的な改善:
QAは、プロセスやシステムの持続的な向上を目指します。
たとえば、食品加工会社は、定期的に製造プロセスを見直し、効率の低下を見つけ出し、製品の質を向上させ、廃棄物を減らすための変更を行います。

品質管理 (QC) の例

製品検査:
QCは、完成した製品をチェックして、欠陥や品質基準から逸脱しているものを見つける役割です。
たとえば、繊維メーカーは、顧客に送る前に各バッチの布地を検査し、欠陥(破れや不規則な部分など)を見つけ出します。

テスト:
QCは、製品が仕様を満たしているかどうかを確認するためのテストを行います。
たとえば、製薬会社は、薬品の各バッチの有効成分濃度と純度を検査し、出荷前に確認します。

サンプリングと分析:
QCは、製造バッチからサンプルを取り、品質を評価するためにそれらを分析することがあります。
たとえば、飲料会社は、ボトル詰めされた飲料のサンプルを取り、味や色などに関する一貫性をテストします。

測定と検証:
QCは、製品が特定の寸法や性能基準を満たしていることを確認するために、承認された技術を使用し測定を行います。
たとえば、電子機器メーカーは、基板内の部品の正確さや精度を測定します。

最終製品の承認:
QCには、製品が顧客に提供される前の最終的なレビューと承認も含まれます。
たとえば、自動車メーカーは、各車両の安全性と品質基準を確保するために、包括的な検査とテストを行います。

要約すると、品質保証 (QA) は欠陥を防ぎ、一貫性を確保するためのプロセス、ガイドライン、基準を確立するためのものです。一方で、品質管理 (QC) は、特定の活動、検査、テストを通じて製品やプロセスの欠陥を特定し対処します。QAとQCは、製品やサービスの総合的な開発と品質を確保するために不可欠です。

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