カナダ最大の食料チェーン Loblawsグループ 大麻販売市場参入を目指しオンタリオ州政府に規制緩和を要請

カナダ最大の食料品チェーン、Loblawsが大麻小売規制の変更を求めてロビー活動を行っています。これにより、Loblawsが大麻市場に本格的に参入する可能性があります。

LoblawsはReal Canadian Super Market, T&T, No Frillsなどを経営するカナダで最大の食料品チェーンを運営する企業です。多くのブランド名で店舗を展開し、食品、日用品、健康関連商品など幅広い商品を提供しています。Shoppers Drug Mart(ショッパーズ・ドラッグ・マート)などの薬局チェーンも運営しており、食料品だけでなく、医薬品や健康関連商品の分野でもカナダ国内で非常に大きな存在感を示しています。

このロビー活動は、オンタリオ州の大麻業界における大きな変化の一環として捉えられています。2024年初頭、オンタリオ州ではディスペンサリーの運営上限が75から150に倍増し、新たな市場が開拓される可能性が高まっています。また、ミシサガ市など、これまでディスペンサリーの設置を許可していなかった大きな都市でも、ディスペンサリーのオープンが進んでいます。

Loblawsが求めている規制緩和の内容は主に以下の2つです。

  • 食品やスナックと一緒に大麻を販売することを制限する規制の撤廃
  • 医療用大麻を販売する企業が嗜好用大麻も販売できるようにするに規制の変更
  • 店内ディスペンサリー制度の導入(一部のスーパーマーケットで見られるような、店内に設置された(リカーショップ)酒屋のような運営形態の許可

  • Loblawsのこれらの動きに対して、業界からは様々な声が上がっており、大企業の市場支配に対する懸念や、競争の増加と消費者の利益まで、幅広い意見が上がっています。一部の政治家や消費者保護の専門家は、このLoblawsの提案が受け入れられることによって、政府が大企業に有利な政策を進めることになると懸念しています。ブリティッシュコロンビア州では、ディスペンサリーの運営上限が7店舗と、オンタリオ州が今回改定した150店舗と大きな差分があり、その事について疑問視する意見も多く上がっています。

    一方で、これまでオンタリオ州政府は大企業に対して寛容な姿勢を示していることから、今後の展開に期待が寄せられています。カナダで最大のディスペンサリーチェーンCanna Cabanaを運営するHigh Tide社のCEOであるOmar Khan氏は、競争の増加が市場に良い影響を与えるとコメントしており、Loblawsの大麻市場への参入を支持すると述べています。

    Loblawsはカナダ全土で2,400店舗の食料品チェーン、薬局チェーンを運営しており、既に「C-Shop」ブランドとして2店の大麻ディスペンサリーも運営しています。この動きは、カナダの大麻市場における重要な転換点となる可能性があり、Loblawsのような大手企業が市場に参入することで、大麻製品の流通とアクセスが大きく変化することが予想されます。この規制緩和が実現すれば、他の企業にも市場参入の道が開かれることになります。ただし、これらの変化がどのように業界全体に影響を与えるかは、今後の政策決定と市場の動向によって左右される事になります。